« ユナイテッド93 | Main | 46億年の恋 »

September 12, 2006

グエムル 漢江(ハンガン)の怪物

傑作です。
 素晴らしい。
 映画を見ている間ここまで幸福感を味わえるなんて。
 韓国映画界の奇跡です。
 悔しいが、ホント面白かった。
 こんな怪獣映画、まず日本では作られないよね。

 というわけで最後までばっちり、ネタばれありでいきますのでよろしく。

 見ていない人は早く行かないと上映終わっちゃうよ。

 日本では全くヒットしてないから上映回数減ってるし、変な時間で
 一日2回ぐらいしかか上映していないところもあるみたいなのでご注意を!
 韓国映画に少々飽きてきて、もう見なくていいやと思っていたのですが、
この映画だけは別でした。監督のポン・ジュノが日本に来たときに、次の作品の
ことを話していたのを友人が教えてくれた。2年ほど前のこと。「殺人の追憶」の
キャンペーンかなにかだったと思う。「ロードオブザリング」の特撮スタッフに
依頼して怪獣映画を撮るらしい。川から襲ってくる怪獣らしいと友人は教えてくれた。
 韓国の怪獣映画といえば「怪獣大決戦ヤンガリー」が思い出される。北朝鮮の
「プルガサリ」なんてのもあって韓国と怪獣の組み合わせはあまりいい印象はない。
だから期待しなかった。
 しかし、「殺人の追憶」をみて・・・・・どうなるのかと期待が高まった。

 で、見た!

 最初の20分が凄いとは聞いていたが凄すぎます!

 静と動の使い分け、エイリアンのようでそうではない、キャラクターになっていない
正体不明の不気味さとその動きの予測できない怖さ。コレはすごいです。

 橋にぶら下がっていた黒い物体が川に落ち、水中を泳いでくる。人々は物を投げた
たりしてその物体を探ろうとする。どこかの川の人気者のアザラシのようだ。
しかし、そこではやつは姿を現さない。
次の瞬間、遠くの岸に上がった怪物がこちらへ走ってくる。
その早いこと! 逃げ惑う人々。走り回る怪物。怪獣の大きさは全長10メートル程度。
それほど大きくないが、ひとりは大きい巨体で突進してくる。
大騒ぎの中で一瞬音が途切れ、次の瞬間その怪物にとらわれる女性。 
そして少女がさらわれる。

 このオープニング、つかみ最高! 通常なら怪物の正体、姿は中盤か最後のほうまで
とっておくのが普通だが、最初から、白昼堂々のお出ましとは恐れ入った。

 少女をさらわれた父親、その父親、つまり少女のおじいちゃん、あと
少女の父親の兄弟、弟と妹が少女を救出するために立ち上がる。
隔離されていた病院を抜け出し、武器と地図を手に入れ封鎖された漢江へ潜入する。
 と書けばかっこいいが一般人なのでなんか少々頼りない。でも家族パワーで
何とかなるというオーラが出ている。

 さて政府は問題の川を封鎖をするが、怪物退治は一向にしない。どうも米軍の圧力が
あるようで詳しくは描かれないがこのあたりを面白いという人たちがいたが、
あくまで市民対怪獣に絞っているのでコレでいいのだろう。

 必死の家族の追跡もあってくクライマックスを迎える。

 人々が集まる中に再度登場した怪物、その飲み込まれた口の中から少女を
引っ張り出すシーンは圧巻! なのにその次の展開がまたすごい!
 意味ありげなホームレスが怪物にガソリンをかけて、学生運動経験者の弟は火炎瓶を
投げつける。次々にビンが割れ、燃え広がる炎。最後のビンでとどめ!と
おもったら、手からすべり落ちるビン。

ずっこけました。

しかしココで妹が登場! なんとアーチェリーの選手なのにずっとタイミングを
逃していいとこなしでここまで引っ張っていた。弓に先に火の玉をつけてとどめの
弓を引く。カッコイイ。ほんとカッコイイ女性は素敵だ。

 しかし、コレでもまだ終わらなかった。やはりおお取りはお父さん。

最初に道路標識で戦っていたが、重すぎて武器になっていなかった。
しかし今度は重しを取り除き標識部分を取り除いて鉄の棒をぐさりと突き刺す。
巨体で押されるがそれに耐えやがて怪物は力尽きる。

こう表現すると動物パニック物のラストみたいですね。怪物がゴジラのように
大きくないために出来る対決シーンだ。

実はラストだけが少々不満。いや、コレがこの監督の味だといわれればそうかも
しれない。少女と一緒に助けられた少年と食事をする父親。食卓に少女の姿が
ない。そう彼女は助からなかったのだ。ココだけは頼むから編集しなおして、
少女が生きていたことにして3人での食卓風景で終わってほしかった。

実は映画の中盤で食卓シーンが出てくる。少女を探すのに疲れきった家族が
腹ごしらえをするシーン。トレーラーの中で4人がカップめんなどを食べ始めると
なぜかそこに少女がいてみなと食事をする。皆は彼女の口に食べ物を入れてあげる。
少々お行儀悪くも感じるが彼女かどんなに家族に愛されているかが、よくわかる
シーンでとても素敵だった。

 最近の韓国映画で出てくる人々は少々こぎれいで、どこか私のイメージとは
違っていた。豊かな国の印象があり変わったんだと思っていたが、今回の家族の
姿は今までのイメージに近く、非常に好感が持てた。だからこそ応援したくなる
そういう雰囲気があった。

 まあとにかく面白かった。今年の外国映画ベスト1です。日本映画のベスト1が
「小さき勇者たち ガメラ」だから両方とも怪獣映画になっちゃうな。

|

« ユナイテッド93 | Main | 46億年の恋 »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/50812/11870417

Listed below are links to weblogs that reference グエムル 漢江(ハンガン)の怪物:

» NO.169「グエムル 漢江の怪物」(韓国/ポン・ジュノ監督) [サーカスな日々]
韓国史上空前の観客動員! しかし、僕は試写会場で、「無感動」に脱力していた。 試写会に足を向けたのは、10年ぶりかもしれない。知人にもらった招待状。あんまり、試写会という空間が好きではない僕は、普段なら「いや、ちょっと」とか言って遠慮するのだが、この映画は、喜んで、好意に預かることにした。 前評判は高い。ニューヨーク・タイムズでは「今年のカンヌ映画祭で、最高の映画だ!」と絶賛していた。韓国では、それまでの�... [Read More]

Tracked on September 19, 2006 at 06:16 PM

« ユナイテッド93 | Main | 46億年の恋 »