怪奇大作戦 セカンドファイル
BS2で4月30日から3日間放送されました。
円谷の特撮シリーズでは地味ですが根強いファンのいる「怪奇大作戦」の
新作です。流れは「ウルトラQ」の人が解決する難事件、怪事件を主にした
ドラマで、「10-4-10-10」や「アンバランス劇場」へつづくことになります。
さて今回はSRIの設定をそのまま21世紀に持ってきて、旧作のモチーフを
21世紀版に焼き直したらこうなるといった3作品でした。
「ゼウスの銃爪」
人工衛星から狙うマイクロウェイブ派による人体発火焼失事件。
公衆電話(死語!?)で殺人を企てるエピソードがありましたが
今の時代は携帯電話。GPSと組み合わせてピンポイントで
人工衛星から狙う。でもなんか納得しちゃうところが「怪奇」で
なくなってしまっているのです。現代は。犯人に意外性もなく
これもありかと納得してしまった。
「昭和幻燈小路」
昭和という時代に心を残した老人が町をのみこみ昭和へ変えてしまうお話。
昭和をノスタルジックに描く本作。実相寺氏の好きそうなお話になっています。
それだけが先行してしてしまった45分はつらい。 「京都買います」と目指す
心はいっしょとみた。
「人喰い樹」
スギ花粉が人の身体に入って人体を食い尽くしてしまうお話。
展開としては花粉で殺人を犯す「美女と花粉」に近いものが
あるが、現代では実際に花粉で苦しんでいる人が多い世の中
「怪奇」というよりは「恐怖」に近い展開。
音楽が解決のキーワードというのは「10-4-10-10」で
真珠のネックレスが音楽を聞かせると大きくなって首を絞める
話を思い出した。
どれも元ネタが旧作にアリ、BS2では新作放送のあと元ネタになった作品を放送する
といううれしい番組編成でした。
新作は旧作へのオマージュをこめて水準の出来だったとは思いますが、
子どものころに見ていた「怪奇大作戦」からうけた印象には及びませんでした。
それだけ科学が発展しており、情報が過多になっている世の中では「怪奇」という
言葉がほとんど死語になっているからではないでしょうか。
まだまだ人間には知らないことがある、
解明できない謎があるはずなのですが・・・・あんまり感じませんよね。
「ウルトラQダークゾーン」のときにも思いましたが、もうこの手のネタで
新作は難しいと思います。
でもまた発表されたら見るでしょうけどね。
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