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March 20, 2008

バンテージポイント

 この映画一言でいうなら

「LOST」のシステムで「24」の内容を90分で仕上げた

 というのです。 この意味わかる人かなりの海外ドラマ通です。

「LOST」は新シーズンごとに原点に戻ってキャラクターの別の視点からの
事件、事象について描き、時々話しを一致させストーリーが混乱しないように
つじつまあわせをして物語を塗り固めている。

「24」は大統領を狙う、時間を織り込んでサスペンス性を高め、犯人を追い詰め、
いいところで切るという手法を繰り返す。

コレを1本の映画でやっている。あのビデオの巻き戻しのような手法は映画では
禁じ手のはず。それを堂々とやっているのには参った。

 脚本の勉強を始めるとぶつかる壁として人称の問題がある。
一人称で主人公の視点で書き始めると、どうしてもその裏で起きていることが
書けなくなってくる。登場人物がどうしてそこにいるのか、何故そのような行動に
なったのか主人公以外の人物の説明が必要なときに描けないのだ。
このテクニックが結構難しい。一人称小説なんかでもそう。第三者、神の視点で
描くというのが難しい。

そこでバラバラにして、それぞれのキャラからみた視点で事件を描き合わせていく。
そのために何度も巻き戻しが出てくるが、映画としてコレほど不細工なことはない。
だけどそれを恥ずかしげもなくやるという潔さは今回は認める。面白い。

 実は映画を見るときに8つの視点と書かれていたので、「藪の中」のようなお話に
なるのかなと思っていたのだが、全くそうではなかった。

 このあと同じことをしたら「バンテージポイント」のパクリといわれるだろな。


さてネタバレですが、そんなつくりなので突っ込みどころ満載なのです。

 まず時間と移動距離、その理由がぴったりフィットすると傑作になるのだが
コレがうまくいっていない。90分でまとめたから勢いはあるがその分そぎ落とした
ということだろうか。

 大統領暗殺後 犯人を追うボディーガード。これ車でカーチェイスして街中を
走り回っている。
 そこへ実はアメリカの裏をかいて○○を誘拐した救急車がくる。
 現場を目撃した旅行者が少女を助け、犯人と思われる人物を追ってくる。
少女ははぐれた母親を探してやってくる。

その場所が高速道路のガード下(?)で全ての問題がココで解決するのだが、
それぞれ車、救急車、大人の足と少女の足でスタート時点は大統領が暗殺された
広場となると事件から約30~40後と推定されそこへ集結するには
無理がある。

それが映画とはいえ、コレをきっちりあわせていれば傑作になったのにね。

かつて「ニックオブタイム」って90分の映画があったが、これは傑作。
映画のランニングタイムと映画の中で起きている時間が90分と一致する。
ビデオを見るときに横に時計を置いていればこの映画の構成の素晴らしさが
判る。ココまで出来たら100点満点。かつて「24」もそうだった(今は完全に
時間無視だけど)。

まあでも「バンテージポイント」面白いよ。 軽く1本見るには適しているので、
見てね。

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