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March 03, 2008

潜水服は蝶の夢をみる

  今回のアカデミー賞では無視された作品。
ノミネートはしてやったが外国の映画には賞はやらないというアカデミーの
腐った根性が検証できた、といえば言い過ぎか。

 見ている間苦しかった。
 特に最初の30分ほどは彼の症状を疑似体験しているかのようなつくりは
劇場を逃げ出したくなるような映像だ。

 雑誌「ELLE」の編集者ジャンは病院のベッドの上で気がついた。
目は開けることが出来た。声も聞こえるが体が動かない。
人がいるが何も伝えることが出来ない。考える能力、記憶する能力も
あり、彼の生活が始まった。

 この体が全く動かない状態を潜水服にたとえている。
動くのが左目だけ。右は開けていると病気になるとふさがれてしまう。
このシーンはちょっときつい。
 さてこの左目で会話をするようになる。アルファベットを利用度高い順に発音し
その文字のところで目を閉じる。そうして単語を作り伝える。

コレがやがて本のなるというのだから凄い。多分どこまでも根気のいる仕事で
よく精神力が続いたものだと感心する。
いまこうして映画として見れるまでになったのはその瞬きひとつひとつで
単語を文章を作ったからだ。

そしてちゃんと潜水服の中のジャンの気持ち、心が伝わってくるのだ。

 体が麻痺するときのエピソードが最後に出てくる。

 (ココからネタバレです)

 子どもと遊びに行く約束をして二人で車に乗る。
 そのドライブ中に急にジャンの体が動かなくなり道路に車を止めるのだが
 そのシーンの恐ろしいこと。
 事故を起こさなくて本当によかったとおもった。
 でもこのときのジャンの心の中は今日の観劇(?)はいけないと思ったこと。
 人間そんなものなんだと思った。

 左目だけが生きているから、男の目の視線で映像が作られているシーンが多い。
 つまりあんな身体になっても男の考えることはほんとどうしようもない
 ということがちゃんと描けていることが素晴らしい。 
 女性の足や胸に目が行って話しを聞いていないことが多いのだ。
 そんなもんなんだ。男の目が見ているものは。それをちゃんと描いている。

 このような障害をもった人を描いていても、気取らないつくりがまたいい。
 

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