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August 11, 2008

ハプニング

シャマランの新作「ハプニング」、賛否で行くとやっぱり否が多いみたいで
それが残念。私の友人は映像の詐欺師といってました。
まあ、一発屋には違いなく、何回も騙されていい加減飽きてきたのですが
でも気になってやっぱり新作は見に行ってしまうということが続いています。

あの「シックスセンス」が忘れられないのです。

後に続く作品はほんとクズばかり。オチを見せるのにどこまで引っ張るか。
で、オチを見せたらそれ以上面白いものがない。こんな人を馬鹿にした
映画はないという出来で脚本家としての力はあるとは思うがもうネタ無いだろう
と思っていたところに登場したのが「ハプニング」でした。

この作品今までと違います。オチが無いんです。オチないんです。

コレはかなりの冒険だったと思います。

ネタバレで行きますので、やっぱり楽しみにしている人は読まないでください。

とにかく、きしょく悪い映画、気味悪い、気持ち悪い映画でした。
不快ではないのですがこの味わいなんともいえないものがあります。

セントラルパークで次々に人が死にます。記憶の混乱から自害といった過程をへて
静かな恐怖がやってきます。このオープニング本当に怖い。
ココは見事だと思いました。数ブロックはなれたビル建設現場、人々が
上から降ってきます。このすさまじいこと。一体何が起きているのか。

予兆のようなものが無いのが怖いのです。

科学の教師が妻を連れて町を出ようとします。
何かのテロ、神経ガス?と報道されたからです。
でもなにか違う。何が引き金となっているのか?

観察から推理されることは風と植物と人の数。
でもこの謎ははっきりしないまま危険地域からの
脱出劇となるのですが・・・・。

自殺、自傷のシーンが多く、どうすれば防げるのか
どこ絵逃げればいいのかよくわからない恐怖が描かれており
締め付けられる怖さがあるのです。

黒沢清の「回路」で似たようなシーンがあったかと思います。

通常パニック映画では人間の知恵と勇気が地球を救うのですが
なすすべもなくこの混乱は終了します。

どうやら植物が、地球が、多すぎる人間を減らすために
やったのではないでしょうか。

別の場所でも同様にことがおき、人間は逃れることが
出来ないことがわかります。

ヒチコックの「鳥」だと思います。

フランク・ダボランの「ミスト」はこの結末を選ばなかった。
あれはアレでありかも知れないが、本来は逃げることが出来ない
ミスト(霧)の中で生きていく主人公たちを映して終わるべき
ではなかったかと思います。

「ハプニング」は容赦尚無い死の恐怖が描かれている非常に恐ろしい映画
だと思うのですが。

このあたりがあまりにいい加減ととらえられているようで、そこは解釈の違い。
突っ込みどころが違うのですね。


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Tracked on August 11, 2008 09:22 PM

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