« October 4, 2009 - October 10, 2009 | Main | November 1, 2009 - November 7, 2009 »

October 29, 2009

情事の履歴書

「情事の履歴書」
―――――――――――――――――――――――――――
○監督:若松孝二
○出演:千草みどり、寺島幹夫
 東京に行く機会があり、東京国際映画祭で何か1本見ようと思ったが甘かった。
チケットは手に入らずに帰りの新幹線にまでに間に合う映画を探してみたのがこれ。
先日からのピンク映画の流れでちょうどいい選択となった。

1965年の国映製作のピンク映画。1965年といえばピンク映画の黎明期。
(1962年の「肉体の市場」が最初とされている)
なのでなんか制限が多くて全くピンク映画らしくなかった。乳首が出てこない。
Hシーンも不自然なカットで・・・・。

東北の雪深い農村でレイプされた少女が東京の赤線へ売られ(といってもこのとき
もう赤線はなかった)のしあがっていく様を描いている。
或る男が殺されて、その容疑者として取調べを受ける女。その過去が語れるがそれは
とても悲惨なものだった。

女を見る目が非常に差別的で、出てくる男は皆女性を見下している。
しかし疑いの晴れた女は堂々と警察を後にするところに本来の女の強さを感じる
ことが出来るのだ。

この時代はこうだったと一言で片付けてはいけないのかも知れないが、
今とはかなり違ってきているのは事実だ。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

October 28, 2009

婦女暴行事件 不起訴

「婦女暴行事件 不起訴」
―――――――――――――――――――――――――――
○監督:渡辺護
○出演:日野繭子、大杉漣、風間舞子
 PLANET+1で見たもう1本が「婦女暴行事件 不起訴」(‘79)。
監督自薦のベスト1で約20年ぶりの上映になるとのこと。

 無軌道な若者たちを描く非常に暴力的なSEXを描いている。それが
映画としてやはり挑戦的であり、低予算で手作りのプログラムピクチャー
として観客へ訴えかけるものが感じられる映画でした。

 3人の若い男たちの一人が女の子を連れ出し、後に2人と合流して犯し、
まわしていく。レイプという言葉ではなく婦女暴行として表現される時代、
女は恥ずかしさ、世間体で訴えることが出来ないとされていた。そこにつけこんで
好き放題やっていくのだが、やがて3人の間に不協和音が生まれる。

 最初に犯された女性が妊娠し、3人うちの1人と結婚したいと言い出すのだ。
あとの2人は彼女の罠にはまり逮捕されることになる。

 この展開少々信じがたいところがあるが、女がまだ男の後ろについてあるいて
いた時代、いや、男の勝手が許された時代を物語と見るべきか。映画の内容の
善し悪しはあると思う。

 しかしなんと言ってもこの映画の魅力は、その手触り、感触が映画というものを
感じさせる作品で最近の映画には感じられないものがある。

 ところで大杉漣さんは中年のオッサンをちょい役で演じていました。まさかこの後
あんな大スターになるとは・・・・ですね。
ちなみに「変態家族兄貴の嫁さん」(‘84)はこの作品の後となります。

PLANET+1の今回のラインナップ 
「紅壺」(’65))「ブルーフィルムの女」(’69)「15代の売春婦」(’71)
「カマキリ女秘書」(’84) 「異常快感24時」(‘85)
保存が難しいピンク映画でよく残っていました。タイトルが今のピンク映画より
意味があって覚えやすいですね。今回は見ることが出来ませんでしたが、
機会があれば見たいです。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

October 27, 2009

素肌が濡れるとき

「素肌が濡れるとき」
―――――――――――――――――――――――――――
○監督:梅沢薫
○出演:真湖道代、野上正義
 PLANET+1で古いピンク映画の上映があったのでいってきました。
体調の加減もあり見れたのは2本ですが、貴重な作品が見れたと思っています。
「素肌が濡れるとき」(‘71)はどこかの田舎から出てきた男がホストになり
女の相手をしながら金が全てとお金をため、次々に女を捨てていく話。
しかし、自分と似たような境遇のトルコ嬢と出会いお金を抜きに身体を重ねる
ようになるのだが、というお話。
 最初のシーンが海とホテルの白パン一丁の男が延々と映し出され、その後に続く
太鼓と妙な数組のカップルのHシーン、こんなの延々と見せられるのか?という
スタートで少々戸惑いましたが、その後は普通でした。
あんまりこういった性風俗に詳しくないのですが、当時こんなんだったの?
というところが興味深かったです。
例えばトルコって絶対Hがついていたかと思っていたのですが、拒否している
シーンがありました。ホストクラブの今とはずいぶん違う印象で、男同士のHな
シーンまで出てくるという、70年ごろの性風俗を知るにはいい作品かも知れません。
70年といえば万博の年。誰もが幸せだったわけではなく、こんな生き方をしている
人もいたのだと同時に、こういう映画を見る人たちも確実にいたのだと感じ
させられました。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

私の中のあなた

「私の中のあなた」
―――――――――――――――――――――――――――
○監督:ニック・カサヴェテス
○出演:キャメロン・ディアス、アビゲイル・ブレスリン、アレック・ボールドウィン

 最近映画を見るテンションが下がりっぱなしで、このメルマガも遅れぎみ。
ほんとうに見たい、いい映画がないという状況が続いています。
見れば結構いいのかも知れませんが、そこまでの気持ちにさせてくれないのです。

 アメリカでそこそこのヒットを飛ばした「私の中のあなた」ですが
この秋唯一の見たかった映画です。設定がかなりアメリカ的で主人公が少女と
いうのがいいです。でもこの邦題、いいなと思っていましたが原題のほうが
やはりよくこの映画を表しています。「My sister’s keeper」が原題。
「私の姉を維持する者」と訳せばいいのでしょうか。

維持する者は妹のことですが、この妹アナと姉ケイトだけのお話になっておらず、
家族全員、一人一人が病気のケイトへの思いを語る形式になっていました。

アナは自分が姉のために作られた、生まれてきたドナーであることで、
親を訴えることになるのですが、それには深い理由があったという物語です。

家族の絆を維持しながら必死にケイトの看護をする母サラをキャメロン・ディアスが
演じていますが、初めてこの人演技がうまいと思いました。もともとが
かるーい映画から出てきたのでそんなイメージがあったのですが、それは昔のこと
でしょう。

 もう少し泣ける映画になっているかと思いましたが、そういう方向はほどほどに
家族の崩壊と再生をえがいているいい映画でした。

 しかし、面白い国です。姉のために人工授精して生まれてきた子どもを
ドナーとして姉の命を長らえさせるために数々の処置、手術をうけさせて、そのことで
子が親を訴えるとは。それがこうして本や映画になる。単純なお涙頂戴映画になって
いないところがどこかの国の量産され、タイトルも覚えていない難病ものとは違う
ところです。

たまにこういうアメリカ映画に出会えると、まだアメリカは大丈夫かと思えます

| | Comments (0) | TrackBack (0)

« October 4, 2009 - October 10, 2009 | Main | November 1, 2009 - November 7, 2009 »