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August 2010

August 12, 2010

借りぐらしのアリエッティ ~借りたままじゃなくて返して欲しかったな。でも名作です。

「借りぐらしのアリエッティ」
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監督:米林宏昌 企画・脚本:宮崎駿
声の出演:志田未来、神木隆之介、大竹しのぶ、竹下景子、三浦友和、樹木希林

 ジブリも商売がうまくなってきました。ブランドを育て、その質をちゃんと保てば
当たるという公式をちゃんとつかんだのです。東宝もうれしいことでしょう。
いやみに聞こえるかも知れませんが、でも作品がよければ許しましょう。
実際今回の作品はよかった。もう宮崎駿には作れない作品です。欲張った演出がない
素直に楽しめる映画になっていました。凝った演出が無い分物足りないと感じるひとが
いるかもしれないが、それを見せる力がこの映画にはあった。

郊外のまだ自然が残るある家の下にアリエッティの家族は住んでいました。
おてんばな小人の少女アリエッティは出てはいけない庭へ出て小さな狩を
楽しんでいました。そこへ体の弱い少年翔が静養にやってきて、彼女を目撃します。
やがて二人は言葉を交わすようになるのですが、それは小人の世界のおきてを
破ることに。そしてその家のお手伝いのおばさんか小人の存在を知り捕まえようと
するのですが・・・・。

話の広がりはいくらでも出来そうでした。後30分伸ばしてアリエッティの家族以外の
小人を出すとか、猫やカラスとの戦いとか追っかけをドラマチックに見せる
方法はいくらでもあったと思います。しかしそれをせずに丁寧に小人の暮らしと
少年翔との出会いとわかれ、あまり派手になり過ぎないお手伝いさんの捕獲
作戦がうまく94分でまとまっていました。
どうも最近の映画は派手なラストがないと駄目のような風潮があって、
「トイ・ストーリー3」なんかがそうです。少々麻薬になっているのでは感じる
時があります。丁寧に主人公たちの心の動き、そのドラマを見せれば十分い
楽しめる映画になるのです。この映画の見せ場はその美術の設定全部ですから。

ラストの別れは切ないものです。
お互いに淡い恋心があったと思わせるところがありますが、あまり明確にせず
去ってゆくアリエッティの姿、そして朝日がいいです。決して終わりではなく
希望の朝日に向かっているというのが。

さて今回のジブリ映画で、いつもと違って少々戸惑った点があります。
それはアリエッティのお母さんの描き方。今までのお母さんはみな母性丸出しで
でんと構えた立派なお母さん、子を見守る、女として強い、というイメージで
作られていたのですが、今回は登場人物が少ないためか、道化担当のようになって
いました。アリエッティはいつのように元気で活発な女の子だったのですが。

「借りぐらし」となっていますがどうやって返すのか?
それが描かれていませんでした。あれなら単なる盗み。大阪弁でカリパチ(借りパチ、
つまり借りぱなしで返さないという意味)ではないか。
アリエッティがお父さんと「狩にいく」といっていたのは「借りにいく」という意味?
でも返さないならやっぱり「狩」じゃないかな。
なにか特別な方法で返すところが欲しかった。
例えば「靴屋の小人」のように労働で返すとか、トトロのように種を植えてその家の
住民のためになるとか。
なんかそんなもちつもたれつの関係が出来ていて、やがて人間は小人たちのことを
忘れ去り、小人たちは滅びてゆく、そして次は人間も同様に滅びてしまうのでは
とおもわせるようなところが欲しかった。


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August 11, 2010

劇場版ポケットモンスター ダイヤモンド・パール幻影(げんえい)の覇者(はしゃ) ゾロアーク ~長!このタイトルでも中身無し!

「劇場版ポケットモンスター ダイヤモンド・パール
幻影(げんえい)の覇者(はしゃ) ゾロアーク」
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監督:湯山邦彦
声の出演:松本梨香、大谷育江、うえだゆうじ

 夏の定番となっているポケモン映画ですが、面白みも工夫もない。
3年続けてみたが印象が残らない。イベント化している映画なので内容は
2の次になっているのかな。結局テレビとは地続きの別の話で、かつ
映画館に来るとデータがダウンロードできて、かつ前売り券にはゲームの
キャラのデータがおもちゃ屋でもらえるチケットが付いている。
今年はそのチケットで3体のうちのどれかということで、3枚買わないと3体揃わない。3回映画見ることはない。でもその分前売りの販売数は伸びるのだろうな。
シネコンには必ずといっていいほどおもちゃ屋はあるので連携して相乗効果で
売上げが伸びる。
昔はメディアミックスで映画を売るというのがあったが、今は、映画も
あるコンテンツの告知のひとつで、ミックスされたいろんなものが同時に
儲かる相乗効果を出すように仕組まれている。子どもが踊らされ、親が
つき合わされ作品の価値などは・・・・。

夏休みに映画に行くというのはひとつの思い出作りだったし、
映画は鑑賞するのもであった。そこに夢や希望があり、テレビでは味わえない
迫力や感動があった。そのような作品を子どもたちに見せたいと制作側は
思っていたはず。だからそのような作品は今でも残っている。しかし今の
子ども向けアニメ、特にこのようなイベント化された作品は消耗して終わり、
子どもたちの心に残らない、ような気がする。そのような作品はあまり見せたくないな。

さて、ポケモンの世界が今までに無い大きな改変を迎えるようで、
今までのキャラとは別のキャラが出てくる様子。
ゲームが先行して発売、テレビアニメがどこまで連動するかまだ不明ですが、
来年の映画はかなり様子の変わったものになる? らしい。でも販促展開
フォーマットは一緒だったらあまり変わりませんがね。

むしろフォーマットが出来ているからここまで大きく変えても
大丈夫ということでしょうか。どこまでも商売のにおいがします。

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August 10, 2010

シュアリー・サムデイ ~イケメン芸能人の監督遊び映画?とはいわないが・・・次は無い!多分

「シュアリー・サムデイ」
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監督:小栗旬
出演:小出恵介、勝地涼

 超人気俳優、イケメンの小栗旬が出演せずに監督した作品で、
今年のゆうばり映画祭でオープニング作品として上映されました。

まあそれなりに面白かったです。
監督の個性とかを感じるような作品でなかった。その為、次があるかどうかは
微妙です。話題性あるし一丁やってみようと山本又一郎が思ったので
実現したのではないでしょうか。

高校生が文化祭中止に反対して教室を占拠。爆発させる気が無かった
が爆発、退学となる。これがオープニングでつかみはOK。
3年後その占拠仲間の一人がヤクザになって3億円を失くし組から追われる
事件にみなが巻きこまれていく。そこに絡む一人の女性。実はいろんな出来事や
事件はみな繋がっていた!

テンポもよく、ストーリーもまあまあ面白い。キャラクターの個性も
ちゃんと描きわけが出来ている。だけどそれほど面白くないのはなぜか?
真面目に撮影しすぎてるのではないか、と思った。
もっと刈り込んで2時間の映画を15~20分カットすればもっと
テンポよくなり話にスピード感が出てくる。
丁寧に話を組んで撮影したシーンをカットできないために面白味を阻害している
ところがあると思う。

きっとジョン・ウーやりたかったのだろうなというシーンや、
「スタンド・バイ・ミー」のパクリのようなシーンも合わせて
学生映画のような味わいが残っているのが少々素人っぽくて良いです。

でもまあそれだけの映画ですかね。

小西真奈美が果たしてこの役よかったかどうか疑問。
小悪魔的な魅力も欲しかったのだがこの人では少々難しい。
少年の憧れる相手としてはいいのだが・・・・・。

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August 09, 2010

私の優しくない先輩 ~ミュージカルシーンが素敵!そして海荷ちゃんが大大大好きです!

「私の優しくない先輩」
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監督:山本寛
出演:川島海荷、金田哲 、

 80年代のアイドル映画に似ている。
どこかで見たことがある雰囲気。
「ねらわれた学園」「20世紀ノスタルジア」とミュージカルシーンが
あまりに唐突で世間から白い目で見られたが確かにその映画の魅力が
あった。「私の優しくない先輩」もそういう映画だ。
万人には薦めないが、好きな人はどこまでものめりこんでしまう映画だ。

心臓が悪い女子高生ヤマコが転校してくる。小さな島だがそこそこ人口はある。
ヤマコは自分でも病気であることを忘れてしまう女の子だ。
大好きな愛治先輩に憧れている。そのことをラブレター(古!)に書いたら
大嫌いな不破先輩にばれてしまった!
不破先輩はヤマコと愛治先輩をくっつけようと策をねるのだが・・・・。

本当に自分のことを愛してくれる人は実はすぐそばにいる。
よくあるネタで新しくないが映像表現とこの映画がかもし出す雰囲気、においが
少々他の映画と違って見えた(感じられた)。

ヤマコの台詞でなにもかもを説明し、その感情表現をミュージカルとして
唄って踊って表し、デコメやプリクラのような星やハートで画面を飾る。

見ているこちらが恥ずかしくなるような演出だ。40歳こえたおっさんが
見に行く映画ではない。こんな幼稚な映画!と思うところもある。

しかしなぜかこの映画、捨てがたいものがあるのだ。

おへそを出しながら校舎内で踊る女の子たちの姿はみていて可愛く、
気持ちよくもある。またこの主役の海荷ちゃんが可愛い!

この映画のテイストはかつて大林宣彦や金子修介がもっていたものだ。
それをまた21世紀に彼なりのアプローチで表現、提供しようとしている
監督がいるのだ。
それが山本寛監督。初期のTVシリーズ「涼宮ハルヒの憂鬱」を監督
した。確かにあのアニメのエンディングで出てくる踊りはとても楽しく
出来れば踊ってみたくなるような踊りだ。
実際放映中はオタクの楽園、秋葉原でみな踊っていたという。
今回の映画でもテーマ曲「MajiでKoiする5秒前」のエンディングの踊りは
コンテストまでやっていた。

今回アニメ→実写映画へ舞台を移し、今後山本監督がどんな方向へ向かうかは
まだ分からないが出来るだけ注目していきたい。

古い範疇にとらわれない作品を生み出し、我々に見せてくれそうな
そんな期待が出来る気がする。

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August 08, 2010

プレデターズ ~プレデターVSヤクザの真剣勝負だけでも見る価値あり

「プレデターズ」
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監督:ニムロッド・アーントル
出演:エイドリアン・ブロディ、トファー・グレイス

 突然、目が覚めたらプレデターの国?
というか落下中に目が覚めてわけが分からんままパラシュートで降下。
なんとか生き延びた地球人。みんな立場は違っても殺しのプロでどうして
ココに連れてこられたか分からない。やがて狩が始まり、自分たちが
獲物と知る。

再構築したくても人間VSプレデターの構図は変わることなく、
いかに生き延びるかそれだけの映画。
そのサバイバルが、戦いがどれだけ面白く見せることが出来るか?
それ以外のことをこの映画に求めてはいけない。
そのサバイバルに徹した演出がこの映画を面白くした。
あの手この手で見せてくれるアクションシーンは面白く、
ニッポンのヤクザがプレデターの戦利品の日本刀を手にして
戦うシーンはなかなかのもので、ニッポンの武士道精神が生きている。
一人残って日本刀と一対一で戦うシーンは用心棒や眠狂四郎か?
敵を倒し、倒れるタイミング、風がなびくタイミング、
サムライ映画からのパクリ丸出しだ。

で、そんなこんなが楽しめるそれだけの映画でした。

でもプレデターって日本に来ていたんですね。幕末かな?
以前パート2のラストでアメリカの南北戦争時代のもの?
と思われる銃戦利品があったからね。


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August 07, 2010

ロストクライム 閃光 ~実はみんな知っていましたじゃ面白くない

「ロストクライム 閃光」
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監督:伊藤俊也
出演:渡辺大、奥田瑛二

 3億円事件の真相をあばく映画と思って見に行ったのだが、映画の中で
なんかみんな警察が知っていて、調べていたが公開していなかったという
ネタばかり。事情が警察幹部がからんでいるからということだが、捜査をして
明らかになっていくのではなく実はこうでしたという展開ばかりでつまらない。
初老の刑事と若手刑事の人物像はそれなりに描かれていると思うが、
事件の真相にいたる過程がまったく面白くないのだ。

老刑事が3億円事件の真犯人の資料をもっていて、それから分かってくる
事実と犯人グループが追い込まれていく過程が交互に描かれるのだが
いままでばれなかったのがそれで動くか? 彼らが動揺するのか?

なんかチープな2時間ドラマのようなキャストで現在と過去の3億円事件
の真相が描かれるのだがそこに驚きもなにもない。

奇想天外な話を期待していたわけではないが、もう少し観客をうならせる
ようなお話にしてほしかった。

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August 06, 2010

トイ・ストーリー3 ~おもちゃとの別れを描くのが本当のトイ・ストーリーの世界か?

「トイ・ストーリー3 3D」
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監督:リー・アンクリッチ
声の出演:トム・ハンクス、ティム・アレン、ジョーン・キューザック

 何故か今回の3作目評判がいい。
きっと「大人」が評価しているのだと思うのだが、私にとっては手堅い
3作目ではあっても到底1作目には勝てないし、この3作目は
「トイ・ストーリー」の世界で、本当にコレでいいのかと思わせる
作品だった。

はっきりいってアンディが大人になってウッディたちと別れるラストが
本当にいいか?

結局子どもはおもちゃと別れて「大人」にならなければならないことを
トイ・ストーリーの世界は描きたかったのか? 

違うだろ!

と、私は思っている。

1作目を見たときは本当に衝撃的だった。CGを使ってココまで滑らかな
映像表現が出来、ラストのバズとウッディの脱出から飛翔、帰還シーンの
見事なこと。涙でスクリーンがまともに見られなかったのを昨日のことの
ように覚えている。あのスリルとスピードが今までの映画ではなくCGアニメ
で表現されたのは本当に衝撃だった。
ディズニーでは出来ない奇妙なおもちゃたちに復讐されるシーンも
かなりブラックで、ピクサーだからこそ出来たシーンだと関心していた。
そしてそこには作り手が決しておもちゃへの夢を忘れていない、
きっと彼らの手には今も大切なおもちゃがあり、おもちゃは無くても心には
残っていて大人になりきれない大人たちのひとつの到達点がこの1作目
だと思っていた。
それがおもちゃたちとの別れを描くとは・・・・情けない。

それでもピクサーの映画か。

ラストは大学へおもちゃを持って行けないのでアンディが
彼らを大切にしまい、やがてアンディの子どもが生まれたときに
また彼らを引っ張り出してきて再会する。
決してアンディは彼らのことを忘れたわけでなく、
アンディは大学で勉強はしたもののおもちゃ博物館立てるまでの
若手実業家にまで成長している、 みたいなオチが欲しかった。

おもちゃを譲るというラストはありだが、別れて欲しくなったと思う。

こんなラストなら見たくない。

2作目は1作目の焼き直しだったが3作目は世界観をひねってしまい
見せ場は今までのピクサー作品の焼き直しのようになってツマラン。
ラストのごみ焼却場の溶鉱炉シーンは見せ場としては面白いし、
必要かも知れないが不要。安易に助かってしまうし。

トトロは登場しても活躍しなかったな。
ひとつぐらい見せ場があってもよかったのに。

まあ4は無いだろう。それでお願いします。

でもこんなことしていてはピクサーももう終わりかも知れないね。


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August 05, 2010

踊る大捜査線 THE MOVIE3 ヤツらを解放せよ!~同窓会にしか見えない展開がつらい。

「踊る大捜査線 THE MOVIE3 ヤツらを解放せよ!」
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監督:本広克行
出演:織田裕二、柳葉敏郎、深津絵里 、

 同窓会というイメージが強かった。
7年ぶりに集まった仲間が内輪ネタで喜んでいる。
そこに観客も入ることが出来るから楽しめるには違いないが
新しい展開が全く感じられなかったのがつらい。

「踊る大捜査線」はテレビシリーズから見続けて非常に思い入れの
ある作品だった。
最初は集団劇でそこにラブコメ要素がはいるのかと思ったら、組織という
ものをエンタテイメントにしたドラマに進化した。
そこに生きる人々は警察という特別な組織でなく、会社ととらえた
働く人々として身近な存在にした。

細部にいろんなネタを仕込み、いろいろな手法で世界観が広まって
行くことがよくも悪くも興味をひきつけた。

だがしかし今回の映画はその今までのネタを再度出してきただけで
次への展開、広がりが感じられなかった。

どうも世界観が広まりすぎて、かつ7年(スピンオフからは5年)の
ブランクが展開を広げるのではなく内へ向かって収束させているように
感じられた。

だからラストで次への期待が高まらない。これでいいのか?

懐かしく、楽しむことは出来るのだが
やるべきことは既に終えているそんな作品に見えた。

映画の前にテレビシリーズの後半部分を見ていたのだが、青島は
やたらとタバコを吸っていた。コレが10年経つとラストの1シーンだけ。

携帯電話や、ネット使い方なども10年でココまで変わるかと
思わせる。そういう楽しみ方は出来た。

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