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January 09, 2014

ゼロ・グラビティ ~慣性の法則について考えてみた   #映画

◆お題:ゼロ・グラビティ
◆監督:アルフォンソ・キュアロン
◆出演:サンドラ・ブロック、ジョージ・クルーニー

 久しぶりに手に汗握る映画を見た。
緊張した。
 映画を見終わった時、どっと疲れた。
 でもあの開放感なんともいえないいい気分だった。

 簡単に言えば「宇宙からの脱出」。まあ旧作の映画とは関係ないけど
ある閉鎖された空間からの脱出ものは面白い。特に今回宇宙というのがいい。
その映像表現、あの無重力空間の見せ方、演出は誰もが納得で、かつどうやって
撮影したの? いくらCGでもあそこまで出来るの?と思ってしまった。

 スペースシャトル・エクスプローラーでハッブル宇宙望遠鏡を修理していたところへ
ロシアの衛星の爆破処理した破片が飛んでくる事故発生。スペースシャトルは大破、
なんとか生き延びたライアンとマットの二人はISSへまで行ってソユーズで
地球に帰ろうとする。しかしまた破片が襲ってくる。ソユーズは何とか動くが
地球には帰れない。さらに中国の宇宙ステーション天宮を目指しそこから神舟で
地球に帰ることになるが・・・・。

 まず面白いのか出てくる宇宙船やステーションが実際のものばかりでリアル。
ハッブル宇宙望遠鏡は大気の影響を受けない望遠鏡として稼動しているものでコレが
冒頭の破片衝突でシャトルと一緒に破壊される。
出てくるスペースシャトルエクスプローラーは聞いたことがないと思っていたら
実物大の模型がアメリカにあるという。
 今回の事故の原因となったのがロシアの衛星爆破だけれど、そのロシア製の宇宙船が
ソユーズでISSからの脱出に使われる。ISSは国際宇宙ステーションで現在稼動中
の宇宙ステーション。コレが第2波の宇宙デブリで破壊されるシーンも凄い。
 天宮と神舟も実在する。特に宇宙船神舟はソユーズの技術が使われているとされ、
実際に映画の中でも出てくるが、独自に開発されたとされる話もあるようで面白い。
いずれにしても中国の宇宙開発技術のレベルが高いと思われる。

 こんなふうに全てが本当にあるもので話が展開していることが興味深い。

 さて慣性の法則です。
 実はこの映画、最初からウソを付いています。
 慣性の法則とは
「外力が働かなければ、物体は静止または等速運動を永遠に続けるという法則」
 つまりライアンが最初破片に当たって振り回され宇宙の彼方へほうりだされた
様子が映し出される。慣性の法則から行けば体は回転したままで等速運動でどんどん
事故現場から離れていく。(地球の重力がどう働くか不明だが)そして地球の周りを
自転しながら公転することになる。つまり月と一緒の状態になるはずで、
マットが彼女を見つけて止める、引き戻すまで動きは止まらないはず。
でも回転は緩やかになって自分の位置を確認し報告するところまで出来てしまう
のはちょっと違うのではないかと思ったが、コレを認めないとお話は進まない。
観客がイメージできる宇宙空間の動きはせいぜい水中のような感じで、それに
近い動きだったのではないかと思った。

 全てが息苦しいままで展開する映画で、ISSに入ったときに空気が残っている
ため思わずライアンは宇宙服を脱ぐ。この開放感は観客も同時に求めたいたものと
思うが、実際にはあぶない行為。だって破片が飛び散った内部で空気を吸えば
肺に異物が入りかねない。それぐらい危険な行為なのだが、ここで描きたかったのは
どうも「バーバレラ」のストリップシーンの再現と「2001年宇宙の旅」のスペース
チャイルドではないかと思う。「バーバレラ」は筆者未見なのだが、冒頭にストリップ
シーンがることが有名らしい。コレが宇宙服を脱ぐシーンで、下着状態になった
ライアンが丸くうずくまった様子でその向うに太いホースが見えるシーンはまるで
胎児のよう。これがスペースチャイルドではないかと思った。
つまりはパロディでありオマージュシーンとなっている。そのために宇宙服を脱いだ
ようだ。

 パロディというかオマージュとしてもうひとつ気付いたのはエド・ハリスの声。
姿を見せずにミッションコントロールの声を担当していた。彼は「アポロ13」でも
同様の役を演じて注目された。知る人ぞ知るうまい配役だ。

 さてタイトルだが「グラビティ(重力)」でよかったのではないか?
日本語タイトルの「ゼロ・グラビティ」では「無重力」となる。
でもこの映画は「重力」を感じることにより、大地、地球を感じる映画であって
それこそがテーマとなっている。我々はまだまだ「重力に魂をひかれた人間」なの
だからそれを感じようよという声が聞こえてきそうだった。


最後の中国の宇宙船は中国マーケットを意識しての展開らしく、ハリウッドへの
中国マネー流入はより一層激化しているのだろうな、と思った。

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