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March 12, 2018

#マン・ハント ~君よ憤怒の河を渡れ→君よ憤怒の映画を見よ!

◆お題:マンハント/追捕
◆監督:ジョン・ウー
◆出演:福山雅治、チャン・ハンユー

2016年8月6日大阪の京橋公園、私がロケに参加したのは朝10時から。
当日はかなり熱い日で熱中症に注意をしなくてはいけない気温。なのに映画の設定は
春先で通勤中のサラリーマンの役。上着を着て何度も公園をぐるぐると歩かされた。
チャン・ハンユー演じるドゥ・チウが殺人の疑いをかけられ大阪の町を彷徨っている
シーン。その背景の一部に参加したことになる。
映画の中では結構早くこのシーンが出てきてカットされなくてよかったのだが、
数秒ほどで終了。上本町駅の入り口を駆け下りるシーンへつながる。あの「目」のカット
がいっぱい出てきたあのシーンです。ちなにみ「上本町」と書かれた入り口は地下鉄
京橋駅の入り口です。次の近鉄電車の駅から線路へ逃げるシーンは別の日に
近鉄の大阪上本町駅で撮影されたようです。まあ朝から夕方まで休憩(お弁当あり)を
はさんで約6時間撮影して使われたのは3秒程度。わかってはいたけどホント大変な
ものです。
 さてこの撮影に監督のジョン・ウーは来てなかった。主演俳優がいるからもしかしたら
と思ったが撮影監督?アクション監督?が演出、でもほとんど日本人スタッフが
走り回って撮影をしていた。
まあ大御所監督となればそうなんやろと思っていたが、なんかいやな予感はあった。
本当にジョン・ウー映画になるのか?という。
 大阪での撮影はよく頑張っていたと思う。「ブラック・レイン」の時は非協力的といわれ
その汚名挽回のために大阪フイルムカウンシルがかなり頑張ったのではないか。
エキストラ登録をしたら毎日のように案内メールが来てどこでロケをやっているかわかった。
 さて内容はというと、「君よ憤怒の河を渡れ」のリメイク。でもかなり内容、設定が変更
されている。何度も聞いていたが中国人にとってこの映画はかなりインパクトがあった
ようで、同時に中国での高倉健の人気を不動のものにした。それをあのジョン・ウーが
撮る。それも日本で。役者も一流で国際的な評価も高い人々を集め誰もが期待する
設定が出来上がった。そこでこの映画は終わっている。つまり内容としていいものを
作ろうとしていない。悪く言えばジョン・ウーの名前貸しじゃないか。こういうシーンが
みんな見たいのよねのオンパレード。
だけどそこに意味がない。正直なところ刑事と容疑者を対立させそこに友情が生まれる、
何か裏にあるぞ的なところを見せなかがら対立した者が心を通わせ、立場を超えて
協力し合うことにより本当の悪を倒すという。その浪花節的要素が無い。無いというより
薄い、描けていないのだ。短いカットを連続でつなぎ左右上下、東西南北、を縦横無尽
につないでその流れが凄い!
というように見えるけど動体視力で追うことができないシーンは見ていてつらい。
誰が誰を撃った。どの方向に追いかけている。その目的は?、理由は?台詞で
処理したりしてなんとか物語がつながるようだがでも心が描けていない。そんな映画が
見たかったわけではないのですよ。
 「狼/男たちの挽歌 最終章」(喋血雙雄THE KILLR)を見直すと殺し屋と刑事が
立場を超え一人の女性を守り、心を通わせて悪と戦う姿が切なく描かれている。
(この映画で初めて鳩を飛ばしそれ以後ジョン・ウー映画では鳩が必須アイテムになっている。
平和のシンボル鳩が舞う教会での死闘その対比が美しい)。
今回は無理から鳩小屋が出てきて(小屋に「鳩小屋」と書いてあるのはギャグか?)
鳩を飛ばしていた。意味があったように見えないのがつらい。
つまり思うに中国出資側がマーケティングの結果、ジョン・ウー監督でこういう設定で
こういう話を作れば映画は当たると踏んで作った映画ではないかと思う。ハリウッドで
実写版「ドラゴンボール」を作った時がそうで、マーケティング重視、優先で映画が作ら
れる時がある。作家性は無視される。まあインタビュー記事などを見るとそうとばかりは
言えないと思うところあるが、でもなあ、あの出来じゃあそう思っちゃうよね。

 気になった点をいくつか。
①「天童よしみの大冒険2」になりかけていた。:女二人組の殺し屋の一人が天童よしみ風でまたか
と思ったのだが、彼女は監督の娘でした。よく似てます。殺し屋のくせに弾が当たらない。もっと
スマートにスタイリッシュに演じてほしかった。
②大阪人としてはロケ場所がわかるのが曲者(つらかった):岸和田のだんじり祭りを
中之島でやっていてすぐに大阪駅に移動しているという奇妙なシーン。
場所を知らなければ違和感ないかもしれないが気になって仕方がなかった。
③馬:「君よ憤怒の~」の新宿での馬暴走シーンは映画史に残る有名なシーン。
これにオマージュをささげたのが牧場襲撃のシーンだと思うが失敗していた。馬の数が
少なくなんかバイクばかりが走っているシーンになっていた。
④倉田保明、國村隼、池内博之と脇を支える人たちも中国、香港映画でよく知られ
ている人。よくこれだけ集めました。でも今一活躍しないのよね。最後に3人とも薬で
大暴走してほしかった。
⑤噂されていた御堂筋でのアクションが無かった。できれば長回し、ステディカムで
追跡のシーンとかカーアクションシーンなんかを期待していたんだけど。

「戦狼/ウルフ・オブ・ウォー」のような中国映画が世界でヒットし「トリプルX:再起動」で
中国資本で中国人俳優を使って大活躍させ、「空海」のような映画まで作ってしまう。
映画製作がバブルの中国人の道楽とは言えないレベル、段階に入ってきているの
ではないか。本作はそういう中での失敗作といえそうだが、今後も中国がかかわった
映画はみていきたい。

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