#本心 ~見る価値はあるけど…
本心
監督:石井裕也 出演:池松壮亮、田中裕子、三吉彩花
朝日新聞で取り上げられること3回。
それぞれ方向性が違う見方をしており面白く記事は読んだ。
偶然だとは思うが「3回も」というのはちょっと最近にない
取り上げだと思った。だからと言ってそれほど名作でも
大ヒットしているわけでもない。
田中裕子のインタビュー記事が一番面白かった。生身の母と
AIで蘇った母(VF:バーチャルフィギュア)を演じる違いに
VFが説明を聞いてもわからない、という中で演じていたと。
確かに演技の上手い人で、演じ分けを一つのプランを持って
やっているのかと思っただがそうでもないらしい。
しかしあの表情は田中裕子だからこそ出せたものとは思った。
この映画は「リアルアバター」という(疑似体験)仕事も
同時に描きネット社会、SNSの危険性についても描いている。
同時に母の仕事仲間の女性との恋愛も並行しているのだが私には
その関係性、絡みが弱いというかちょっと無理があるのではと感じられた。
ラストの腕を伸ばすシーンへたどり着くにはもっと映画の
ストーリーとしての中身の関係を濃くする必要があったのではないか。
ベースとしては母の言いたかった言葉を探る話。
でも母のAIの作成のためのデータとして呼び出された同僚が若い女性
だとか一緒に住むことになるとかちょっとこの展開ありか?と疑問に
思ったし片やリアルアバターの危険な仕事についても現実に起きている
闇バイト問題と合わせて見ればインパクトのある話かもしれないが
全体の話に絡んできているとは思えない。
ネットの富豪もなあ、単なる恋敵のために設定させられただけにしか
みえないなかった。
となると「本心」って一体何のことだったのかと思ってしまう。



Recent Comments