林由美香

December 01, 2011

監督失格 ~感想を書くのにとっても時間がかかりました。

「監督失格」
―――――――――――――――――――――――――――
監督:平野勝之
出演:林由美香、平野勝之

この映画を見るのは正直勇気がいった。
何を見せられるのか? ものすごく怖い思いをして映画を見ていたのだ。

「由美香」について
映画の前半は「由美香」もしくは「わくわく不倫旅行」の総集編。
だから味気ない編集で終わっている。本編はDVDで見たがこの中で
平野監督の由美香さんへの思いがにじみ出ているが同時にドキュメントを
サスペンス性を持たせて魅力ある映画になっている。北海道までの自転車旅行。
最初のラブラブ気分からやがて由美香さんの不機嫌が始まり、それでも仕事
だからと割り切って何とか目的地まで到達する二人。平野監督は仕事よりは
由美香さんへの思いが強くそれを作品(仕事)として完成させるには彼女に
食糞させなければならないという使命と葛藤がある。無茶苦茶な内容で、
表の世界に出してはならない内容だ。それを骨抜きにして約1時間程度で
見せてしまうのだから。ラストの由美香さんの不機嫌さは一体なんなのか?
平野監督の男としてその女への甘えが受け入れられていないような、見ていて
かわいそうであり不快なシーンだ。
「流れ者図鑑」について
こちらは未見。しかし「監督失格」の中で顔を隠して映し出されるのは松梨智子監督。
平野監督は由美香さんの代わりを探して松梨監督と再び北海道旅行に出る。
「監督失格」の中で松梨監督の顔が隠されているのは本人の了解が取れなかっただろう。
松梨監督といえばインディーズの女王と呼ばれ、インディーズ映画を多数発表してきた
女性監督。個人的にはゆうばり映画祭でお話をさせていただいた。
「愛は惜しみなく奪う」が傑作!とさよならパーティで感想をお伝えしたら、
後日ビデオを送っていただき、わが家の家宝にしている。
松梨監督は後に「映画監督になる方法」という傑作映画を発表。DVDも
出ているが、このなかで「流れ者図鑑」のネタを使っている。インディーズ映画の
裏を暴くコメディで数々の裏ネタが出てくる。オーディオコメンタリーを聞くと
松梨監督は結局「流れ者図鑑」を見ていないらしい。あれは平野監督のもので
自分に求められているものが理解できなかったといったようなことが語られていた。
この「映画監督になる方法」の最後には監督の死を記録した映像を公開する話に発展し
今回の「監督失格」へ結びついていくかのようで面白い。あわせてみることをオススメ
する。
さて、松梨監督は「ハッピー・ダーツ」という映画でメジャーデビューしたのだが
その後噂を聞かないので調べたら監督業やめていました。ホームページ上でメジャー
で映画を作ることは自分の思い通りにならないことが多いことや監督としての目的を
失ったというようなことが書かれていました。作品全てを見たわけではありませんが、
インディーズでかなり好きに面白い作品を発表されていた。そのエネルギーが磨耗した
ということでしょうか? 今は何をされている不明です。 ファンの一人としては
非常に残念に思います。

「監督失格」へもどって
そしてあの死のビデオです。
由美香さんが死んだ記事を写真週刊誌で見たときに既にビデオがあることが記載
されていました。しかしそれはあくまで噂でしかありませんでした。由美香さん関連の
本やDVD、特集上映などがあり5年もすればもうこちらとしても忘れていたの
モノでした。それが映画館で映し出されるとは・・・。
見ている途中、そのシーンが近づくと私は見たくないのでかばんを持って劇場を
出ようかと思いました。「由美香」の食糞シーンより見たく無いシーンです。
でも、そのままおかれたカメラが母親の号泣を延々と写し、スクリーンに映しだされ、
それが怖く逃げ出したいと思いながらも圧倒されて見てしまいました。あの時一度
カメラの向きを調節したのはなんだったのでしょうか?
不思議な力が働いていたかと思う映像です。由美香さんが自分の死までも映像ネタと
して提供し最後まで役者であったことを示した映像でした。そして同時に回りをこんな
に巻き込みながらでも愛されていたことが分かる映像でした。平野監督の淡々とならざるえない気持ちが痛かった。あのときからこの映画のラストの疾走まで彼は変われ
なかった。ラストの疾走で彼はどこへ向かったのか?いずれ答えが見られるのか?

監督失格→監督廃業 ではないかと思う。もう出来ないだろ。自分を被写体するには
由美香さんが必要でその由美香さんがいないのだからもう撮れないのでは
ないか。それは自転車三部作の2作目3作目で証明されている。

「監督失格」を見終えて。
この内容の映画、映像がTOHOシネマズの劇場で公開される、スクリーンに
映し出されるのはやはり異常だ。こんな内容の映画を公開する前にもっと他の
映画を上映すべきだ。平野監督のプライベートな映像作品で他人に見せるものでは
ないと思った。どこまでも彼の私的な思いの映画で他人は見てはいけない。
それにコレが「一般」扱いというのにも驚かされた。小学生でも見られる、小人料金
設定があるのだ。コレは一体どういうことだ。本当に映倫は映画の内容に無関心
なのだと思った。TOHOシネマズだけで上映しているのだから劇場側の判断で
見せないようにすることも出来たと思うのだが・・・。

ところで、どう書いていいかわからず、
映画を見てからコレを書き上げるのに2ヶ月ほどかかってしまいました。

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October 08, 2009

あんにょん由美香

「あんにょん由美香」
―――――――――――――――――――――――――――
○監督:松江哲明
○出演:林由美香、ユ・ジンソン、いまおかしんじ

 いい映画を観たという感想が素直に残る映画でした。
みんな由美香さんが好きで、その思いで作られている映画でした。

監督として「まだまだね」といわれたことが心にひっかかっていた松江監督は
由美香さんの死を悼み、そこで1本の韓国エロ映画に出会う。
死後に出版された「女優林由美香」の編集過程で見つかった作品。韓国スタッフ
による日本で撮影されたエロ映画「東京の人妻 純子」で、そこでも由美香さんは
しっかり演技をしていたのだった。
どういう経緯でこの映画に由美香さんが出ることになったのかを追う一方、
由美香さんの代表作を撮った3人の監督を尋ね、彼女の生き様を振返っていく
ドキュメンタリー映画。

カンパニー松尾は初期由美香さんのアダルトビデオ「硬式ペナス」を監督。
撮影現場を訪ね、当時の様子をうかがう。彼の個人的な思いがあって撮影した
ように感じる。由美香さんがまだロリータで売ってる頃の作品で未見。
この作品って今見ること出来るのかな。

ピンク映画になれなかったドキュメンタリー映画「由美香」。筆者は後に発売された
DVDで見たが、この監督平野勝之。「わくわく不倫旅行」のタイトルがついている
この作品の平野監督と由美香さんは当時本当に不倫関係にあった。仕事とプライベート
割合が違う二人のわだかまりがサスペンス性を生む作品だが、こちらも作品の
舞台となった北海道まで思い出をたずねに行っている。そしてあの夕張の三角山の
峠越えを再現しているのだ。遠くに観覧車が見える夕張の町をバックに由美香さんが
何を思っていたのか。
平野監督へのインタービューが後に愚痴のようになってくるシーンが印象的だ。
本気で昔の自分の女への気持ちが見えるようだった。
由美香さんが死んだ日、実は久しぶりに平野監督との撮影の予定で、待ち合わせの
喫茶店に由美香さんが現れなかったことが語られる。それが後々になってうわさと
なったようだ。

「たまもの」のいまおか監督は由美香さんを「林さん」と呼ぶ。業界では先輩だからと
いくことらしい。「たまもの」での由美香さんはかなり自分の演技に自信があったようで
コレが後期の代表作となっていく。確かに台詞のない中で見せる(魅せる)演技を
重ねて通常のピンク映画とは一線を引いた作品に仕上がっていた。
作品にあわせてそのようなコントロールが出来るようになっていたのだ。

カンヌまで行った「日曜日は終わらない」ではその演技も作品にあわせていながらも
由美香さんの登場シーンだけはピンク映画の雰囲気が漂い、全体のイメージが
テレビ用作品とは思えない味わいを出していた。

さて物語は韓国エロ映画「東京の人妻純子」がどのような過程で製作、撮影されたかを
追うために当時のスタッフを訪ね、韓国の監督にまで会いに行くことになる。
さぞかし面白いネタが出てくるかと予想していたが予想は裏切られ、しかしそれ以上に
面白い事実が分かってくるところがいい。そうたいしたことはない、でも・・・・。

監督を招いて撮れなかったラストシーンを撮影することになる。
この「東京の人妻純子」の主人公純子=由美香さんとダブって見えてきて
出演している男どもは手の届かなくなったところへ旅立った彼女を送り出すかのようだ。

死んでもなおスクリーンの中で生きている彼女が映し出される。沖縄の首里劇場で
由美香さんのピンク映画が上映されていたのだ。

いつまでも彼女はスクリーンの中で生き続ける。
ちょうどこの上映があったときに梅田日活で「女将三十五才染みだすシーツ」という
由美香さん出演作を上映していたのだ。映画の中でのことを実感できる出来事だ。

実際、筆者自身もつぶれたビデオ屋さんで由美香さんの傑作ピンク映画「団地妻不倫で
ラブラブ」を見つけたことがあるので、どこかで由美香さんは生きているのだ。

こういうことをいうと少々残酷だが、今回の「あんにょん由美香」は由美香さんの
作品をまとめた本「女優林由美香」の映像版という気がした。そしてそこで語れる
内容は本の内容と同じで、当たり前だが彼らの思い出が更新されていないのだ。
2005年6月に亡くなった時のままで止まってしまっている。映像は残酷で生きている
感じさせると同時に残された人々の由美香さんに対する時が止まってしまっていること
も映し出しているように感じた。

少々意地の悪いことを書いてしまった。
でも事実である。

しかしながら「あんにょん由美香」は、さよなら由美香さん、であり、こんにちは由美香
さんである。その意味合いをじっくりとかみ締めたい。


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June 27, 2008

林由美香 没後3年回顧特集

6月26日は林由美香さんの命日。
もう3年になるのですね。
何度か取り上げてきた由美香さんの作品ですが、今回珍しく大阪でも
特集上映があったのでいってきました。東京では何度かやっていて
うらやましく思っていました。

特集上映があったのは梅田日活。いまだにピンク映画専門館としてのこる
貴重な存在です。

ここでは平均月に1回何らかの特集上映があり、6月は由美香さんの特集に
なったのでした。

このように紹介しておきながらここに来るのは2度目で、以前は一般映画の
「森の向こう側」を上映したときに来ました。

やはりピンク映画館は抵抗があり、はっきり言って勇気が必要で詳しくは
申せませんが怖い、やな思いをすることがあるので躊躇しちゃうのです。

でもまあココは大丈夫そうで、サイトの案内を信用してもいいかなと
思いました。ココと神戸のCINEMAしんげき2はまあ安全に映画が見れそうです。

http://umenichi.net8.jp/pc/

特集で上映されたのは
「痴漢電車いやらしい行為」
「飼育のレズ部屋熟れすぎた恭子」
「ミスピーチ」
の3本。「ミスピーチ」は鑑賞済みでDVDもあるので今回はパス。
非常に対照的な2作品を見ました。

「痴漢電車いやらしい行為」はピンク四天王のひとり佐藤寿保監督作品。
由美香さんがAVからピンク映画の世界に入るきっかけになった作品といわれている
93年の作品。
電車の中での痴漢行為、それを撮影する男、それに気づく女。コレが由美香さん。
女は恋人に捨てられ、贈られたダイナマイトを持ってぶらぶらしている。
二人の絡みはあってもどこか乾いた感じの映像。都会に近い海岸という雰囲気が
一種の異国めいたものを感じさせる。男は家族が崩壊し、自分の見るものに
現実味が無くなってビデオを撮影しながら実感しているとのこと。
女の20歳の誕生日に二人でダイナマイトで死のうとするが死ねない。
家族に、恋人に取り残された二人の孤独がさらに増すシーンだ。
再び自分たちの生き方を求めて歩き始める二人。ラストゴムボートで船出する
由美香さんのダイナマイトの歌が心にしみるのだ。
ピンク映画大賞クロージング上映のためのニュープリント版で上映。

「飼育のレズ部屋熟れすぎた恭子」
由美香さんは来た仕事はきっちりやる。亡くなる前の年の作品で、
いろんな評価が高くなっていても本当のピンク映画にもきちっと出てその役どころを
全うしているのだ。
車で連れ去れた恭子は監禁される。隣の部屋にも監禁されている女がいる。コレが
由美香さん(脇役です)。男に飼育されいつしか励ましあう二人は深い関係に。
なんとか脱出したふたり。実はコレには裏があり、由美香さんが仕組んでいたのだ。
しょーもな!ってお話ですがこの線でいかないとピンクは消滅してしまうと思います。
それをしって由美香さんも全力投球していたのでしょう。

ピンク3本は辛いので2本にしました。ピンクでもいい作品があるので今後も
この劇場にはお世話になりたいです。


100円もらえます。
Sugar Mail

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July 17, 2007

日曜日は終わらない

林由美香さん出演のNHKドラマで長らく放送されていませんでした。
亡くなった当時追悼で東京では劇場公開されたのですが、大阪では見ることが出来ず
DVD化もされていない作品でこのたびやっとことで見れました。
日本映画専門チャンネルで8月まで何回か放送されるので見てください。
結構いい作品です。NHKのドラマとは思えない内容ででした。でもこの作品、
カンヌ映画祭まで行った作品で、なななんと林由美香さんは
これでレッドカーペットを歩いたとか。またそこで「コマネチ(古)」のギャグを
やったという(「女優林由美香」でよみました)。

 まだニートという言葉が無い時代の青年の苦悩の物語で、そのなかで憧れの
風俗嬢役で由美香さんは出演。スケスケの下着で登場、パンティを脱ぐという
シーンまで披露しなんかこのシーンだけピンク映画してました。
(さすがにカラミはなかったけど、カラミ入れたらピンク映画として充分成立する)

 母親の愛人を衝動的に殺し、刑務所に入った青年が出所、由美香さんへ会いに行き
約束を果たして海へ。なぜか山へ行き先をかてさまよう二人の姿を遠景から見せる
シーンで由美香さんほとんど全裸だったのではないか? このシーン結構長く
二人に関係を見せてくれる。

 少し前のATG映画のような雰囲気で作られおりドラマというよりは映画といった
雰囲気を充分に出している作品でカンヌへ行ったのも納得。

 作:岩松了 となっており重要な役(?)でも出演。もし由美香さんが生きていたら
「時効警察」なんかにも出ていたかもと思うとほんと残念でならない。

 「日曜日は終わらない」はとっても素敵な作品なので是非機会を作ってご覧ください。

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June 26, 2007

由美香

命日は6月26日ということでDVDでみた「由美香」について少しかきます。

 「由美香」は林由美香の名前が最初に世に広まったきっかけとなった映画と
認識しています。とうのも私が彼女の名前を認識したのがこのときだったはず。
でも映画を見ようとはしなかった。まあタイミングが合えばいつかとおもいつつ
映画のうわさだけが記憶に残っていた。

 そして次に彼女の名前を意識したのは彼女が亡くなってからだ。
確かに「たまのも」は見ていたがココまで入れ込んでいなかった。亡くなったのも
知らずに1ヵ月後に知った。そしてPGの特集で本当にみなに愛された女優さんだった
ことを知った。それが同時に彼女に惚れるきっかけとなった。

 だから「由美香」は見たかった。

 DVDを買った。

 ブックレットがついており撮影日誌が細かくつづられていた。そこで私は始めて
食糞のことを知った。
 
うーん(しゃれではない)・・・・・コレ見れるかなと不安になった。
私はこの手の映像作品は見たくない。人間の尊厳を損ねるような映像はごめんだ。

 だからずっと見なかった。 しかし見たい気持ちもあり、悩んだ末に見た。

約2ヶ月は過ぎていた。

 そのシーンそのものはたいしたことはなかった。

 映画はドキュメントロードムービーで新婚旅行の成田離婚ってこんな感じで
起きるのかなと思わせる二人のやり取りが面白い。
 由美香は仕事8割で自転車で東京から北海道に行こうとするが、監督は仕事は2割
というそのずれが男ってどうしようもないスケベな気持ちが見える。
女というのはその点シビアだ。特に由美香さんはそういう人だったのだろう。
なんかむちゃくちゃやなと思いながらそれでも、監督の告白を
ドラマのとしてクライマックスとして盛り上げていく。
影の声がとても印象的だ。こんな風にも映画は作れるという新たな発見がある。

 ピンク映画の由美香さんが好きだ。 この映画は少々違う。 しかし由美香ファン
ならば必ず遭遇する作品。その価値は高い。

 いまだにピンク映画では由美香さん出演の作品が公開されている。
 まあタイトルを変えてのリバイバルなのだが、タイミングが合わなくて
 見ることが出来ていないのは残念。

 7月には日本映画専門チャンネルで「日曜日は終わらない」が放送予定。
NHKのドラマで、カンヌで上映された作品だ。由美香さんの一般映画への進出の
第一歩となったドラマ。非常に楽しみである。


由美香 コレクターズ・エディション(DVD) ◆20%OFF!


女優林由美香


林由美香のお仕事



ブログマイル:究極のお友だち紹介制度誕生

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November 28, 2006

女優 林由美香

「女優 林由美香」 今読んでいます。 最高に面白いです。
とても分厚くてなかなか読めません。
でも家宝にする価値のある本です。 感想は後日このブログで。

公式ブログあり。なんと動画CMも見れます。

女優林由美香


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March 21, 2006

団地妻 不倫でラブラブ

近所のつぶれたビデオのレンタルショップの前をたまたま通った。普段は
通らない道なのだがこの日はなぜかこの道を選んだ。「中古ビデオ100円」と
の張り紙。無人の店内で賽銭箱のようなBOXとビデオが100本ほど並んでいた。
掘り出し物はないかと覗いた。アダルト物ばかりでその中に1本目についたのが
これだった。

 「団地妻 不倫でラブラブ」監督サトウトシキ 脚本小林政広 
主演横浜ゆき、林由美香! これが100円とは安い!と早速買って帰った。

 有るマンション、いやこの場合団地、隣同士の奥さんが二人で家出をする。
残された夫二人は妻がいなければ何も出来ない。男二人は何もできずに
体を重ねる。片一方のだんなの思いをかなえさせてやるための妻の策略?
でも二人もまた温泉旅館で楽しみ体を重ねる。地元の若いカップルとであった
二人は自分たちの夫との冷えた関係を見直し、夫の元へ帰っていく。

 お話はこれだけだが、非常に丁寧にそれぞれのキャラクターのこころの
内を描いており少々奇妙に見える関係もなんとなく許してしまう世界が
広がっている。

 温泉から帰ってきた妻二人が朝の出勤前の夫二人と再会するシーン、
ありきたりなスローモーションだが、なんともいえない印象を残す。
夫婦再生の瞬間を非常にオーソドックスな手法で見せており、こういう
ところは今ではピンク映画でしか見られないとうのは言いすぎか。
画面が暗く見づらいシーンが多い。室内や夜のシーンが多いため、ピンク映画
としての画質の悪いところかと思っていたらラスト、朝日の中で夫婦の絆を確かめ
あうシーンが出てきた。このシーンのまぶしく美しいこと。

 ところでピンク映画ではよくあることだが、「~不倫でラブラブ」とあるがこの奥さんは
不倫していないと思うのですが・・・・。タイトルと内容が一致しない!

 昨年からごひいきの林由美香嬢の作品であることにも満足したが、映画そのもの
にも大満足、これが100円で見れ自分のコレクションとなったことも大変うれしい。

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November 04, 2005

PG 林由美香 40000 LETTRS SELF STORY

PGという本がある。この存在はあまり知られていない。
実は私も知らないがピンク映に関する本で、これが100号を向かえ
林由美香の特集を企画していた。
 密着取材、インタビュー記事など取材編集が行われたのが今年の6月。
その6月26日に林由美香は亡くなった。非常に運命みたいなものを感じる。

本は林由美香の特集から追悼特集にかわり、1冊丸ごと彼女の魅力について
語られる非常に貴重な本となった。

 最初のインタビューは自分のことを延々と語る内容。どのようにしてこの世界に
入ったのか、作品に対する思いなどがつづられている。

フィルモグラフィーでは本当に多くのピンクの映画に出ていたのを再認識
させられる。中には見ていた作品もあるが、今では覚えていない。

そして最後は共演者や仕事をしたスタッフの林由美香への思い、思い出が語られている。
このひとつひとつが本当に素敵だ。皆が皆彼女のことが好きだったことがわかる。

数々のエピソード、証言から見えてくる林由美香という人の姿は非常に愛らしく
可愛らしく、天使のようだという表現が本当によくわかる。

ゆうばりファンタにもきていたことが判明し、このとき私は行っていなかったのだが
知っていたらきっと捕まえに行ってサインを頂き写真を撮ったに違いない。
カレーラーメンを食べたというエピソードはゆうばりならではのもの。

いつのまにか深く知りたいと思った女優さんは久しぶり。
見ていない映画いっぱいあるので、これからも追いかけ続けたい。
いまみたいと思っているはNHKのハイビジョン作品「日曜日は終わらない」と
一般映画として脚光を浴びた「日曜日は終わらない」。
どこかでいつか見ることが出来ることを願っている。

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November 03, 2005

女優 林由美香 追悼 特集上映

 10月のはじめに神戸CINEMAしんげき2で上映のあった
「女優 林由美香 追悼 特集上映」に行ってきました。
今年の6月26日になくなった女優 林由美香 の追悼特集上映です。

 この映画館始めて行ったが、きれい! ピンク映画館なのに明るい、と非常に
いい環境の映画館でした。普通ピンク映画館は汚く暗く臭い。だからいくら
いい映画をやってもあまり行きたくないところが多い。しかしここでは安心して
見ることが出来る。まあ私の家から遠いのだが。高速神戸新開地駅からすぐです。

 上映作品は遺作と他2本と豪華3本立てで大満足でした。

遺作「ミスピーチ 巨乳は桃の甘み」(05)
 この作品の試写を見ることなく林由美香はこの世を去ったとか。
お話はおばかなコメディでたわいのないもの。
ミスフルーツ全国大会で優勝するために日夜努力を続けるミスピーチ3人。その一人が
林由美香。彼女には過去があって子どもと別れて暮らしている。いつかお金持ちになって
子どもを引き取り一緒に暮らすという夢がある。しかしそれを阻むライバルたちがいた。

 劇中年齢をごまかしている役どころ、20歳そこそこには無理があるが、35歳には
見えない若々しさがある。

ミスフルーツという夢は破れるが、未来へつながるラストがなんとも・・・・・。

林由美香をよく知る人にとっては彼女らしい一編とか。


Miss Peach ミス・ピーチ メモリアル・エディション
Miss Peach ミス・ピーチ メモリアル・エディション

「喪服妻 熟れ尻ぐっしょり」(01)
 夫の浮気を知った妻の復讐劇。夫の部下を使って浮気相手の女性を見つけ殺害、
復讐を果たすといったお話。普通ならこの妻にも天罰が下るのだが、ピンク映画では
そうはならない。時間がないからかもしれないが、どうやらこのまま、のうのうと
この妻は生きていくみたいだ。この妻役を林由美香が演じている。

「濡れ尻女将のねばり汁」(97)
 林由美香はゲスト出演だが、実はこの作品「キャラバン野郎」シリーズと呼ばれて
いる内のエピソード4にあたる。
 ある田舎旅館のわけあり女将の過去と出所してきた男の再会の物語。
キャラバンで白黒ショーをしている慎二が出会ったのが出所してきた男。彼の
過去を知り女将合わせるお話でラストは「幸福の黄色いハンカチ」みたいだった。
 林由美香ふんする花枝は中盤に登場し、慎二と絡み1回で退場。やはり若い。
キャラバンシリーズはこの慎二と花枝の物語。慎二にとっては元の彼女? みたい
な存在で、悩むことがあると来るらしい。

 このキャラバン野郎シリーズは全9作ですべて花枝役を林由美香が演じている。
10作目を撮る予定だったとか。
 実は女寅さんのような雰囲気があり、他の作品も見てみたい。

 偶然今年の8月に見たのが「隣のお姉さん小股の切れ味」が9作目で、これが
エピソード0にあたる。花枝と慎二の出会いが描かれている。
 花枝は妹と父親と暮らしている。父親の借金を返すために働く彼女たち。
スナックを経営している花枝は時々体を売ってお金を作っている。そこへ幼馴染が
帰郷してくる。花枝と妹と三角関係になる。妹の幸せを願って身を引く花枝。
妹の結婚資金まで作り送り出す。 慎二とであった花枝は一緒に町を出る。

ピンク映画はプログラムピクチャーとして機能しているのがよくわかる3本でした。
そして林由美香という人はかなり長い間ピンク映画を支え、人々に愛されてきたのが
よくわかる気がした。
それはこの上映のときに買った「PG 林由美香 40000 LETTRS SELF STORY
を読むともっとよくわかる。

たまもの ◆20%OFF!
たまもの ◆20%OFF!
代表作となった「たまもの 熟女発情たましゃぶり」

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August 23, 2005

熟女・発情 タマしゃぶり(たまもの)

映画を見ている本数が少なく、そのなかで紹介できるピンク映画を見に行くことが
出来なかった。
そんななか訃報がとどいた。林由美香さんの死である。6月26日になくなった。

知る人ぞ知るピンク映画界の天使のような存在。約200本の映画に出ていたという。

実のところそれほど多く見ていないので印象があいまいなのだが、「由美香」という映画が
一般映画として注目されたのが最初だった。見なければと思っていたが機会がなく、
今回もビデオ屋を探したが見つからなかったため未見。

たかがピンク映画の女優と世間で見られていると思っていたが、やはりファンは多かったみたいで
あちこちで記事を目にした。「映画秘宝」「キネ旬」「ぴんくりんく」など。テレビでは報道ステーションで
短い特集が組まれていた。普通の映画人より露出が多かったのではないかと思われ、正直驚いた。
そしてその記事のどれもが彼女に対する熱くいとおしい気持ちが込められていた。
その話題の彼女を知らないことに自分自身残念に思った。

それで、以前にも見ていたのだがWOWOWで放送された「たまもの」を再見した。
監督いまおかしんじ、ピンク映画公開時のタイトルは「熟女・発情 タマしゃぶり」。
港町のボーリング場で働く少女(ちょっと歳をとっているが、林由美香は十分少女に見える)が
郵便局員と付き合い始める。一方的に愛情を注ぐ少女は毎日弁当を彼に渡すのだが、
彼はそれがだんだん重荷になってくる。別の女も出来て分かれようとする彼に少女がとった
行動は・・・。

 林由美香はほぼ全編台詞なしで表現する。それは言葉が話せない役かと思ったのだが、
そういう制約の中から体で表現しようとしていたのではないか。時に妙なギャグっぽい動きもあるが
喫茶店お金を払おうとするシーンは秀逸だ。相手の女がおごるといってもそれを受けるのが
自分の中で許されないから、自分で払おうとする。しかし小銭がなくて、近くのコンビニで
お金をくずそうとして順番待ちができず、勢いあまってレジのお金に手を出し、
レジ強盗に間違われることになる。いたたまれない気持ちを全身で表現している長いシーンだ。

この作品で2004年のピンク映画大賞で女優賞を受賞した。

彼女のことを天使だと表現する人がいる。なるほどどこかつかみどころがないように思える。
そのような雰囲気をかもし出している。たぶん近くにいれば好きになるより、お友達になって
眺めているのが楽しい人だろうと思う。そんな女性だ。

遺作は「ミスピーチ 巨乳は桃の甘み」。東京では追悼上映会などが多く行われるようだが、
関西では今のところ神戸のみ。少々寂しい気がする。 是非ともこの遺作は見てみたい。

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